どうも、アメザリズ・スタッフの Neo です。
先日、アナオちゃん動画の投稿に至るまでの「ヴァーチャル人形浄瑠璃」のご様子をお伝えしました。
その最、ボイスチェンジャーアプリは「恋声」というものを使用したのですが、その他にもボイスチェンジャーを行えるソフトをいくつか試していましたので、そちらの使用感などをご紹介します。
目次
はじめに : ピッチとフォルマント
ボイスチェンジャーソフトの基本的な仕組みは、実はどれもほとんど同じで、「ピッチシフト」と「フォルマント調整」が鍵になります。これらのキーワードはこの後紹介する各ソフトに登場するので、覚えておくと良いでしょう。
「ピッチ」とは音程のことで、たとえば音程を1オクターブ分上げれば、音程はそのまま、高い声になるというわけです。
ピッチ補正だけだと全ての音声成分が一律で高い音になるだけですが、ここで「フォルマント」という「声の特徴」を決めるパラメータを調整してやります。すると男性の声が女子声に変身できる、という仕組みです。
この「フォルマント調整」は、やり過ぎると「万引きの現行犯で捕まった人」みたいな機械的な音声になってしまうので、地声の出し方も重要ですし、強引すぎないピッチ補正、自然なフォルマント調整が大切になります。
なお、今回は「男性 → 女子声」への変換に使用しましたが、パラメータを逆にいじっていけば「女性 → 男子声」への変換ももちろん可能です。
Gachikoe! Core (ガチコエ! Core)
はじめに紹介する Gachikoe! Core (ガチコエ! Core) は、低遅延・高品質なリアルタイムボイスチェンジャーソフトです。Windows と macOS で使用できるフリーソフトです。
特にフォルマントのかかり具合が自然なのですが、対応しているのがリアルタイムな音声入力のみで、WAVE ファイル等を読み込んで変換することはできなかったため、「アナオちゃん動画」の作成時には使用しませんでした。
恋声
次に紹介する 恋声 は、Windows 専用のフリーソフトです。WAVE・MP3 ファイルの読み込みに対応しており、WAVE ファイルでの保存が可能なので、「アナオちゃん動画」の作成時にはこちらを使用しました。
「男性 → 女子声」などのプリセットが用意されており、ピッチ・フォルマント調整も自由に行なえますので、使いやすいソフトかと思います。
Cubase Artist 13
Cubase Artist 13 は、いわゆる DAW、打ち込み音楽を作成するためのソフトです。ボーカル音源の調整機能の一環として VariAudio という機能が搭載されており、こちらでピッチシフトとフォルマント調整ができます。
視覚的に分かりやすく、細かな音程の調整もできるので、話し声というよりも歌のボーカルとして変声する際に有効かと思います。
iMyFone MagicMic
iMyFone MagicMic は、多数のリアルタイム AI ボイスチェンジャーを搭載したアプリです。無料版では「女子大学生アリス」というプリセットのみが使用でき、その他は有料になりますが、200種類以上の AI 音声フィルタが搭載されています。
無料版を試してみましたが、単なるピッチシフトとフォルマント調整だけではなく、声質も変えてくれているようで、若干アニメ声っぽい感じに変換できました。
Voidol3
Voidol3 も、リアルタイム AI ボイスチェンジャーアプリです。Windows 版と macOS 版があります。
有料ですが、その分使い勝手はピカイチです。低遅延なピッチシフトに、豪華声優のボイスを基にしたボイスチェンジャー機能で、自然な変声が可能です。
OBS Studio 等の配信ソフトとの連携にも対応しているので、ライブ配信などでボイスチェンジャーを使いたい場合にはうってつけのソフトだと思います。
以上デス!
以上、5種類のボイスチェンジャーソフトを試してみました。
「アナオちゃん」の Shorts 動画では「恋声」を使用しましたが、アイドルグループ「ザリガニョンズ」のデビュー楽曲では Cubase Artist 13 の VariAudio 機能を用いるなど、ソフトを使い分けています。
今後ライブ配信を行う機会があれば、MagicMic や Voidol などのリアルタイムボイスチェンジャーの出番もあるかと思います。今後のアメザリズの活動にご期待ください!