Amezariz Blog

アイドルプロジェクト「アメザリズ」の公式ブログです。

「DEATH!DEATH!です。」楽曲製作の裏話

どうも、アメザリズスタッフの Neo です。いわゆる「にゃおす」a.k.a.「ねおちゃん」です。(何)

先日公開したザリガニョンズのデビュー曲「DEATH!DEATH!です。」はお聞きいただけましたでしょうか。まだの方は以下の MV とともにご視聴ください。


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本日は、コチラの楽曲を製作するにあたっての裏話、メイキングを語っていこうかと思います。


目次


僕は作曲家じゃない

この楽曲の「作曲」を行ったのは私にゃおすですが、僕はそもそも、別に「作曲家」でも「DTMer」でもなんでもありません。学生時代に軽音楽部でギターを弾いたことがあり、ちょっとだけ DTM を触ったことがある程度の経験しかありませんでした。特に「歌モノ」なんて、全く作ったことがありませんでした。

なのですが、「アメザリズ」プロジェクト発起人のなな子アメリカザリガニさんに

このへんはにゃおすができるかもしれない。がんばれ!!!

と言われて、作曲および打ち込みを担当することになりました。

突然降ってくる歌詞

なな子さんは文才があります。「アメザリズ」プロジェクト発足の翌日には、「DEATH!DEATH!です。」の歌詞が降ってきたのでした。

……つまり、「詞先」での作曲ということになります。

こうなったらやってみるしかありません。ギターを手に持って、歌詞を歌えそうなメロディをなんとなく弾いて試行錯誤を始めました。

冒頭の「DEATH!」の繰り返しから、「『D』EATH だし、コードは D にしようかな」という安直な思い付きで、キーを D に設定してみました。こうすることで、ギターは Drop D チューニングにしてヘビーめなパワーコードが弾けます。メロディはペンタトニックスケールで歌詞に当てていきました。他にスケールを知らないからでした。

「サビがない」or「全編サビ」?

前述のとおり、僕は作曲経験というモノがなかったので、「出てきた歌詞の上から順にメロディを付けていく」形で作業をしていました。すると、歌謡曲のよくある「A メロ」→「B メロ」→「C サビ」といった構成が上手く取れていないことに気付きました。

しかし、それをどうにかする技能が僕にはありませんでした。B メロでコード進行を変えるとか、転調するとか、そういったことのやり方が全く分からず、結局そのまま突き進んでしまいました…。

後々聞いた話ですが、ボーカルメンバーのみどり∞さん曰く、「この曲は、全部サビなんですよ」とのこと。そうなんだ…。自分で作っていながら、こういう構成も理解できていませんでした。ムチャクチャです。

ガイドボーカル・そしてメンバー招集

とりあえずコード進行とメロディを考えたので、DTM でギター・ベース・ドラムを打ち込んで、メロディラインはシンセで打ち込んでメンバーの皆さんに共有してみました。プロジェクト発足当初の温かいノリのおかげで、まずまずの好評をいただきました。

最初はなな子さんが仮ボーカルを吹き込んでくださっていたのですが、すぐに「自分は歌が下手だから」ということで、外部から助っ人を呼んでくる流れになりました。

そうしてなな子さんによって強引に拉致されてきたのが「みどり∞」さんでした。みどり∞さんは歌が上手で、本楽曲の「ガイドボーカル」を担当してくださりました。

同じくなな子さんに「ボーカルやれ」と拉致されてきたアナオさん、そらさん、庵野雲さんは、みどり∞さんの歌入りの音源を聞きながら、ボーカル収録を行っていたのでした。

「ミックス」の難しさを知る

ギター、ベース、ドラムの打ち込みに、みどり∞さんのガイドボーカルを乗せたあたりまでは、トラック数も全部で4つなので、比較的聞ける音源になったかな?なんて思っていました。

しかしココから、なな子さん、アナオさん、そらさん、庵野雲さんのボーカルを重ねていくと、まず純粋に管理するトラック数が多くなり、ミックス (音量の調整) が難しくなってきました。この頃に、それまで使っていた「Reason Lite 10」というフリーの DTM から、「Cubase Artist 13」という有料の DTM に製作環境を切り替えています。

「ボーカル収録」といっても、各自が自宅でスマホに向かって吹き込んだモノでしたので、音量の均一化、ノイズ除去、イコライジングなどが相当難しかったです。というか、うまく出来たとは到底思えません…。

さらに「ギターは生演奏がいいな」というなな子さんの要望で、僕がギター音源を宅録することになりました。ギターの音に立体感を出すためには、同じ演奏を2回録音して、左右チャンネルに振ると良いらしいです。色々弾き直しているうちに、ギターのトラック数も増えていきました。つらいです。

「アナオちゃん問題」

過去のブログ記事でも触れておりますとおり、ボーカルメンバーのアナオさんはバ美肉おじさんでございます。

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アナオさんのボーカルに関しては、ボイスチェンジャーをかけて女声にすることにしましたが、コレがまた相当苦戦しました。

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ボイチェンのソフトも複数試し、Cubase のピッチ補正ツールなども駆使しましたが、「身長2メートルのおじさんが見える」などと言われてしまい、中々なな子さんからの OK が出ませんでした。

えりちゃん投入

どうにもならない「アナオちゃん」の粗を隠すため、安定した女声を出せるボーカルメンバーを追加することになりました。それが「えりちゃん」です。

「えりちゃん」というのは、Synthesizer V という歌声合成ソフトの Eri というボイスのことです。いわゆる「ボーカロイド」みたいなモノです。DTM と同じ要領で、「メロディ」と「文字」を打ち込むことで、機械に歌わせることができるんですね。

Vocaloid と Synthesizer V は比較記事も出しましたが、様々なボイスを比較検討して、最終的に Eri ちゃんを採用しました。

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複数のボーカルメンバーを招集し重ねることで、相対的にアナオちゃんの登場頻度・音量を下げることができるようになりました。つらく苦しいボーカルのミックス作業も、ようやく終わりが見えてきました。

怒涛の編曲指示

ボーカル調整の傍ら、楽曲全体の構成についても見直しが入りました。ガイドボーカルを担当してくださったみどり∞さんは音楽理論にも精通されていたので、率直な感想をいただき、それに沿って編集していくことになりました。

DTM 素人が初めて作ることになった歌モノでしたので、それはそれは怒涛の指摘が入りました。全体的に、楽器の音量がデカくてうるさい、音数を減らせ、という指摘が多かったです。

作曲・ミックスをしている側からすると、どうしても同じフレーズを何度も聞き返して試行錯誤しているので、「もっと迫力が欲しい」「何か変化を付けたい」という思いから、音を足して対処してしまいがちです。しかしそれでは各パートが喧嘩し合うばかりで、初めて聴く人にとってはガチャガチャとうるさい印象になってしまうようでした。

というワケで、音を引くという発想の転換が必要なのでした。そういえばこういう試行錯誤を、Suchmos かどこかのバンドがやっているのをドキュメンタリーで見たことがありました。コレのことかぁ…!!w

自分ではもはや正解が分からなくなっていたので、最後はみどり∞さんに言われるがまま直す、という感じになっていましたが、おかげさまで打ち込み素人がやりがちな「ベロシティ上げ過ぎ問題」などはだいぶ軽減できたのではないかと思います。えっ、そんなことないですか?充分うるさいですか?それはスミマセン、元はもっとひどかったんです……。

製作期間3ヶ月

さて、このブログ記事もだいぶ長くなってきました。もう終わりにします。

2023年11月末にプロジェクトが発足し、すぐに楽曲製作が始まりました。そこから試行錯誤の日々が続き、最終版が出来上がったのは2024年2月下旬。僕にとって初の作曲仕事は、1曲で製作期間3ヶ月という、なかなかの難産でございました。

打ち込みやボーカルミックスをやり直すたびに版管理をしていたのですが、そのリテイク総数、38回。この中ではボーカル収録も皆さんに複数回リテイクをお願いしてきましたし、みどり∞さんからいただいた修正指示の回数も相当数ありました。

メンバー皆さんのご協力、試行錯誤にお付き合いいただいた努力の結晶が、この「DEATH!DEATH!です。」というデビュー曲なのです。一流の出来とは言えないでしょうが、素人集団なりに頑張って作った処女作です。こうした苦労の末に生み出した楽曲ということで、温かい目で再度お聴きいただけますと幸いです。


www.youtube.com

↑ コチラはみどり∞さんのソロボーカルバージョンです。ザリガニョンズのメンバーになったつもりで、コチラをガイドボーカルにして皆さんも歌ってみてください!DEATH!!

Bandcamp で無料ダウンロード配信中!

本作「DEATH!DEATH!です。」の MP3 を、Bandcamp で配信しています。無料でダウンロードできますので、以下の Bandcamp のページからぜひダウンロードしてください。(よかったらお布施もお待ちしております…!)

amezariz.bandcamp.com

Bandcamp では、

  • 本ブログ記事の冒頭で紹介した「通常バージョン」
  • 先程紹介した「みどり∞さんソロバージョン」

の他に、製作途中のバージョンを3つほどオマケで配信しています。

  • ボーカル収録以前の、打ち込みオンリーな「インストゥルメンタルバージョン」
  • みどり∞さんの最初のガイドボーカルで作った「デモバージョン」
  • デモバージョンになな子さんの合いの手を重ねた「チャチャ入れバージョン」

これら合計5バージョンとも、無料でダウンロードできます。我々アメザリズの処女航海の様子を、音源でお楽しみいただければ幸いです。

それでは!!